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低用量ピル飲み忘れで不安?時間・日数別の対処法と避妊効果を解説

ピルを服用している方が一度は経験するかもしれないのが「飲み忘れ」です。気づいたときには、「避妊効果は大丈夫?」「どうすればいいの?」と強い不安を感じるでしょう。しかし、低用量ピルは正しく対処すれば、飲み忘れによる妊娠のリスクを最小限に抑えることができます。

この記事では、ピルを飲み忘れてしまった場合の対処法を、飲み忘れ時間や日数、そしてシートのどの部分の錠剤かという点に分けて詳しく解説します。飲み忘れによる避妊効果への影響や、飲み忘れ時の性行為について、さらに飲み忘れを防ぐための具体的な対策までご紹介します。不安な気持ちを解消し、安心してピルの服用を続けられるように、正しい知識を身につけましょう。

目次

ピル 飲み忘れは何時間まで大丈夫?

低用量ピルの飲み忘れで、避妊効果に影響が出るかどうかの大きな目安は、「いつもの服用時間から12時間を経過したかどうか」です。多くの低用量ピルは、毎日同じ時間に服用することで体内のホルモン濃度を一定に保ち、排卵を抑制したり子宮内膜を変化させたりすることで避妊効果を発揮します。このホルモン濃度が、12時間程度の飲み忘れであれば大きく変動しないと考えられています。

飲み忘れ12時間未満の場合

いつもの服用時間から12時間未満であることに気づいた場合、避妊効果は維持されていると考えられます。

対処法:
1. 飲み忘れに気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
2. その日以降の錠剤は、いつもの時間に通常通り服用を続けてください。

例えば、夜10時に服用している方が翌日の午前8時(10時間後)に飲み忘れに気づいた場合、すぐに飲み忘れた1錠を服用し、その日の夜10時にはその日の分の錠剤を服用します。合計で1日に2錠服用することになりますが、問題ありません。

このケースでは、避妊効果が低下する心配はほとんどありませんので、追加の避妊法(コンドームなど)を用いる必要はありません。

飲み忘れ12時間以上24時間未満の場合

いつもの服用時間から12時間以上24時間未満であることに気づいた場合、これは「1日飲み忘れた」と判断することが多いです。この場合、避妊効果がわずかに低下している可能性があります。

対処法:
1. 気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
2. その日以降の錠剤は、いつもの時間に通常通り服用を続けてください。

例えば、夜10時に服用している方が翌日の夜8時(22時間後)に飲み忘れに気づいた場合、すぐに飲み忘れた1錠を服用し、その日の夜10時にはその日の分の錠剤を服用します。この場合も、合計で1日に2錠服用することになります。

このケースでは、基本的には避妊効果は維持されることが多いとされていますが、念のためその後の7日間はコンドームなどの他の避妊法を併用することが推奨されます。ただし、飲み忘れがシートのどの時期に起きたかによって対応やリスクが異なるため、次のセクションで詳しく解説します。

低用量ピルの飲み忘れ 日数別の詳しい対処法

飲み忘れが1日だけではなく、2日以上になってしまった場合は、避妊効果が大きく低下するリスクがあります。飲み忘れた日数と、それがシートのどの位置で起きたかによって、具体的な対処法が異なります。

飲み忘れ状況 (日数) 対処法 避妊効果への影響 追加避妊の必要性 緊急避妊薬の検討
1日 (24時間以内) 気づいたらすぐ飲み忘れた1錠を服用。以降は通常通りいつもの時間に服用。 (最大1日に2錠服用) 維持される可能性が高い 基本不要。ただし不安な場合やシート開始1週目の場合は7日間併用を推奨。 基本不要。ただしシート開始1週目の飲み忘れ前に性行為があった場合は検討。
2日 (48時間以内) 気づいたら前日飲み忘れた1錠をすぐに服用。その日の分も通常時間に服用 (最大1日に2錠服用)。以降は通常通り服用。 低下する可能性が高い 7日間連続して実薬を服用するまで必須。 シート開始1週目に飲み忘れ、かつ飲み忘れ前または飲み忘れ中に性行為があった場合に強く検討。
3日以上 直ちに服用を中止し、次の生理が来るのを待つ。生理が来たら、新しいシートの1錠目から服用を開始する。不正出血の場合でも、生理が来るまで服用は中止する。 なし。避妊効果は完全に失われる。 新しいシートで避妊効果が得られるまで(通常は最初の7日間)、他の避妊法を必須とする。 飲み忘れ前または飲み忘れ中に性行為があった場合、妊娠リスクが高い。早急に医療機関に相談し、緊急避妊薬の検討が必要。

飲み忘れ1日(24時間以内)の場合

これは前述の「飲み忘れ12時間以上24時間未満」とほぼ同じ状況を指します。多くのピルの添付文書では「1日飲み忘れ」として扱われます。

対処法:
1. 飲み忘れに気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用します。
2. その日の分の錠剤は、いつもの時間に通常通り服用します。この結果、1日に2錠服用することになります。

避妊効果については、基本的に維持されると考えられますが、飲み忘れがシート開始1週目に起こった場合は注意が必要です。念のため、その後の7日間はコンドームなどの他の避妊法を併用することがより確実です。

飲み忘れ2日(48時間以内)の場合

2日以上飲み忘れてしまうと、体内のホルモン濃度が十分に維持できなくなり、排卵が起こるリスクが高まります。

対処法:
1. 気づいた時点で、前日飲み忘れた1錠をすぐに服用します。
2. その日の分の錠剤は、いつもの時間に通常通り服用します。この場合も、1日に2錠服用することになります。

重要な注意点:
* 飲み忘れに気づいてから、実薬(ホルモンが含まれている錠剤)を7日間連続して服用できるまでは、コンドームなどの他の避妊法を必ず併用してください。
* 飲み忘れがシート開始1週目に起こった場合、妊娠の可能性が特に高まります。飲み忘れの前後で性行為があった場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の検討が必要となる場合があります。

飲み忘れ3日以上の場合

3日以上連続してピルを飲み忘れた場合、避妊効果は完全に失われていると考えてください。このままピルを服用し続けても、避妊効果は期待できませんし、ホルモンバランスが乱れて体調不良の原因となる可能性もあります。

対処法:
1. 直ちにピルの服用を中止してください。
2. 次の生理が来るのを待ちます。不正出血の場合でも服用は中止です。
3. 生理が始まったら、新しいシートの1錠目から改めて服用を開始してください。

重要な注意点:
* ピルの服用を中止してから新しいシートで避妊効果が得られるまで(通常は最初の7日間)、コンドームなどの他の避妊法を必須としてください。
* 飲み忘れをする前の性行為によって妊娠している可能性が考えられます。特にシート開始1週目の飲み忘れの場合はリスクが高いため、不安な場合は早めに医療機関に相談してください。緊急避妊薬の検討が必要となる場合があります。

飲み忘れがシートのどの時期かによる影響

低用量ピルは、シートの中の実薬の成分量や働きが段階的に変化するもの(3相性ピルなど)や、全て同じ成分量であるもの(1相性ピル)がありますが、いずれの場合も「シートのどの時期(週)」に飲み忘れが起きたかによって、避妊効果への影響や対処法が異なります。これは、各時期での排卵抑制や子宮内膜の変化の状況が異なるためです。

シート開始1週目の飲み忘れ

シート開始1週目(1~7錠目)は、体内のホルモン濃度が最も低い状態から服用を開始するため、排卵を確実に抑制するために非常に重要な期間です。この時期に飲み忘れが起こると、排卵抑制が解除されてしまい、妊娠するリスクが最も高くなります。

リスクと対処:
* 飲み忘れに気づいたら、前述の「日数別の対処法」に従って服用を再開します。
* 飲み忘れに気づいてから、実薬を7日間連続して服用できるまでは、必ずコンドームなどの追加の避妊法を併用してください。
* 最も重要な点として、飲み忘れの前(特に飲み忘れた期間を含む過去7日間程度)または飲み忘れ中に性行為があった場合、妊娠している可能性が非常に高いです。この場合、早急に医療機関に相談し、緊急避妊薬(アフターピル)の服用を検討する必要があります。時間が経つほど効果が低下するため、できるだけ早く受診してください。

シート中間(2週目)の飲み忘れ

シート中間(8~14錠目)は、すでに体内のホルモン濃度が十分に高まっており、排卵が強く抑制されている時期です。この時期の飲み忘れは、1週目の飲み忘れに比べて妊娠リスクは比較的低いとされています。

リスクと対処:
* 飲み忘れに気づいたら、前述の「日数別の対処法」に従って服用を再開します。
* 飲み忘れに気づいてから、実薬を7日間連続して服用できるまでは、コンドームなどの追加の避妊法を併用することが推奨されます。ただし、飲み忘れが1日だけであった場合は、基本的には避妊効果は維持されると考えられます。
* 性行為があった場合の妊娠リスクは1週目ほど高くありませんが、不安な場合や2日以上の飲み忘れの場合は医療機関に相談することも検討しましょう。

シート後半(3週目)の飲み忘れ

シート後半(15~21錠目)は、次の偽薬期間や休薬期間に向けて、ホルモン濃度が高い状態が維持されている時期です。この時期に飲み忘れが起こっても、避妊効果は維持される可能性が高いです。ただし、飲み忘れ日数によっては偽薬期間中の出血のパターンが変わる可能性があります。

リスクと対処:
* 飲み忘れに気づいたら、前述の「日数別の対処法」に従って服用を再開します。
* この時期に飲み忘れた場合、シートの最後の実薬を飲み終えたら、偽薬期間に入らずにそのまま新しいシートの1錠目から服用を開始してください。これにより、ホルモン濃度が低下する期間がなくなり、避妊効果を維持できます。
* 新しいシートの服用を開始してから最初の7日間は、通常は追加の避妊は不要ですが、不安な場合は併用しても良いでしょう。
* 緊急避妊薬の検討は、基本的には不要と考えられます。

偽薬期間の飲み忘れ

多くの低用量ピルには、21日間の実薬の後に7日間の偽薬(プラセボ錠)または休薬期間があります。この偽薬期間は、ホルモンが含まれていないため、飲み忘れても避妊効果に影響はありません。

リスクと対処:
* 偽薬を飲み忘れたり、飲む順番を間違えたりしても問題ありません。
* 重要なのは、偽薬期間が終わったら、必ず新しいシートの1錠目を決められた通りに開始することです。新しいシートの開始が遅れると、避妊効果が低下するリスクがあります。

ピル 飲み忘れで避妊効果はどのくらい低下する?

低用量ピルを正しく服用した場合の避妊成功率は99%以上と非常に高いです。しかし、飲み忘れをすると、この避妊効果は低下します。どのくらい低下するかは、飲み忘れの状況(時間、日数、シートの位置)によって大きく異なります。

飲み忘れ状況(まとめ) 避妊効果への影響 妊娠の可能性
12時間未満の飲み忘れ (実薬期間) 維持 非常に低い
1日 (12時間以上24時間以内) の飲み忘れ (実薬期間) 基本維持だがわずかに低下する可能性 低いが、シート開始1週目ではわずかに上昇する
2日 (48時間以内) の飲み忘れ (実薬期間) 低下する可能性が高い 上昇する。特にシート開始1週目では顕著に上昇する
3日以上の飲み忘れ (実薬期間) 完全に失われる 非常に高い。飲み忘れ前後の性行為で妊娠するリスクが高い
偽薬期間の飲み忘れ なし (避妊効果は維持されている) ない (ただし新しいシートの開始が遅れるとリスク)
シート開始1週目の飲み忘れ後の性行為 低下している可能性が極めて高い 非常に高い。緊急避妊薬の検討が強く推奨される
シート中間(2週目)の飲み忘れ後、7日間連続服用前の性行為 低下している可能性あり 上昇する可能性あり。
シート後半(3週目)の飲み忘れ後、新しいシート開始まで 低下している可能性あり 上昇する可能性あり。新しいシートの偽薬期間スキップが推奨

飲み忘れによる妊娠の可能性

飲み忘れによる妊娠の可能性は、特に以下のケースで高まります。

  • シート開始1週目の飲み忘れ: 体内のホルモン濃度が最も低い時期であるため、排卵抑制が解除されやすいです。この時期の飲み忘れ前後での性行為は最も危険です。
  • 連続した飲み忘れ(2日以上): ホルモン濃度が大きく低下し、排卵が起こりやすくなります。
  • 飲み忘れに気づいてからの性行為: 避妊効果が低下している状態で性行為を行うと、妊娠のリスクが高まります。

飲み忘れが起きたら、まずは落ち着いて日数とシートの位置を確認し、適切な対処法を取ることが重要です。そして、妊娠の可能性が考えられる状況であれば、後述するように医療機関へ相談してください。

飲み忘れ時の性行為はどうする?

飲み忘れに気づいた場合、その後の性行為については慎重に対応する必要があります。

安全な期間は?

飲み忘れをした後は、避妊効果が十分に回復するまでの期間は安全ではないと考えてください。一般的に、飲み忘れに気づいてから実薬を7日間連続して正しく服用できるまでは、コンドームなどの他の避妊法を必ず併用する必要があります。この7日間は、再び排卵を確実に抑制するために必要な期間です。

  • 12時間未満の飲み忘れ: 基本的には避妊効果は維持されているので、その後の性行為で追加避妊は不要とされています。
  • 12時間以上の飲み忘れ (1日以上): 飲み忘れに気づいてからの性行為、およびその後の7日間は、コンドームなどの追加避妊法を必ず併用してください。

緊急避妊薬(アフターピル)の検討

以下のような場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の服用を検討する必要があります。緊急避妊薬は性行為後72時間(ノルレボ錠、レボノルゲストレル錠)または120時間(エラワン錠)以内に服用することで、妊娠の可能性を低くする薬ですが、時間経過と共に効果は低下します。できるだけ早く医療機関を受診し、相談してください。

  • シート開始1週目の実薬を飲み忘れ、飲み忘れの前または飲み忘れ中に性行為があった場合
  • 2日以上実薬を飲み忘れ、飲み忘れの前または飲み忘れ中に性行為があった場合
  • 飲み忘れに気づかず避妊効果が低下した状態で性行為を行い、妊娠を強く避けたい場合

緊急避妊薬が必要かどうか、いつまでに服用すべきかなどは、個々の状況によって判断が異なります。自己判断せず、必ず医師に相談してください。

飲み忘れ以外でピルの効果に影響するもの

低用量ピルの避妊効果は飲み忘れ以外にも、特定の薬や体調の変化によって影響を受けることがあります。

併用注意薬・食品

一部の薬剤は、ピルの代謝を促進したり吸収を妨げたりすることで、ピルの血中濃度を低下させ、避妊効果を弱める可能性があります。ピルを服用していることを他の医療機関にかかる際に医師や薬剤師に必ず伝えてください。

併用注意とされる主な薬剤の例:

  • 抗生物質: 特にリファンピシンなど一部の種類。腸内細菌叢に影響を与え、ピルの再吸収を妨げる可能性が指摘されていますが、全ての抗生物質が避妊効果を低下させるわけではありません。医師や薬剤師に確認が必要です。
  • 抗てんかん薬: カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタールなど。ピルに含まれるホルモンの代謝を促進することがあります。
  • 抗HIV薬: 一部の種類。
  • 一部の精神安定剤:
  • セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有サプリメント: ホルモン代謝を促進し、ピルの効果を弱めることが知られています。健康食品やサプリメントとして市販されていますが、ピル服用中は避けるべきです。

これらの薬を服用する必要がある場合は、ピル以外の避妊法(コンドームなど)を併用するか、医師に相談して他の避妊法を検討する必要があります。

食品については、通常の食事であれば避妊効果に影響はありません。ただし、極端に大量の特定の食品を摂取した場合などに影響が出たという報告もわずかにありますが、日常生活で気にするレベルではありません。最も注意すべきはセイヨウオトギリソウです。

嘔吐・下痢

ピルを服用した後すぐに激しい嘔吐や下痢があった場合、ピルの成分が体内に十分に吸収されない可能性があります。

  • 服用後2時間以内の嘔吐または激しい下痢: ピルの成分が吸収される前に排出されてしまった可能性が高いです。飲み忘れと同じように扱い、気づいた時点で再度1錠服用することを検討してください。その後の対応は、飲み忘れの対処法に準じます。不安な場合は医療機関に相談しましょう。
  • 服用後2時間以上経過してからの嘔吐や下痢: ほとんどの場合、成分は十分に吸収されていると考えられますので、避妊効果への影響は少ないでしょう。

ただし、慢性的な下痢や吸収不良の疾患がある場合は、ピルの効果が十分に得られない可能性も考えられます。医師に相談してください。

ピルの飲み忘れを防ぐための対策

低用量ピルの効果を確実に得るためには、毎日決まった時間に服用することが最も重要です。飲み忘れを防ぐために、いくつかの工夫を取り入れましょう。

アラーム設定

最も一般的で効果的な方法です。

  • スマートフォンのアラーム機能を活用する: 毎日同じ時間に繰り返し鳴るように設定します。複数のアラームを設定したり、アラームに「ピルを飲む!」などのメッセージを表示させたりするのも効果的です。
  • ピル服用アプリを利用する: 飲み忘れ防止アラーム機能だけでなく、服用記録や次のシートの開始日管理などもできる便利なアプリが多く提供されています。
  • 目覚まし時計などを利用する: スマートフォン以外のアラームを使うのも良い方法です。

アラームが鳴ったら、すぐにピルを服用する習慣をつけましょう。「後で飲もう」と放置すると、飲み忘れてしまう可能性があります。

服用タイミングの工夫

日常生活の特定の行動とピル服用を結びつけることで、習慣化しやすくなります。

  • 毎日同じ時間に必ず行う行動とセットにする: 例えば、
    * 朝食後すぐ
    * 夕食後すぐ
    * 寝る前(歯磨きの後など)
  • ピルを置く場所を決める: 毎日目にする場所、例えば洗面所の鏡の前や歯ブラシ立ての近く、ベッドサイドテーブルなど、服用するタイミングの場所の近くに置くと忘れにくいでしょう。ただし、高温多湿な場所や直射日光の当たる場所は避けてください。

また、旅行や出張などで生活リズムが変わる場合でも、ピルを携帯し、普段と同じ時間帯に服用できるように注意が必要です。時差がある場所へ行く場合は、事前に医師や薬剤師に相談し、服用時間の調整について確認しておくと安心です。

飲み忘れで不安な場合は医療機関へ相談を

ピルを飲み忘れてしまい、この記事を読んでもご自身の状況がよく分からなかったり、妊娠の可能性について強い不安を感じたりする場合は、迷わず医療機関に相談してください。

相談できる医療機関としては、普段ピルを処方してもらっている婦人科クリニックや産婦人科、または最寄りの産婦人科などが挙げられます。飲み忘れたピルの種類、飲み忘れの日数、シートのどの位置の錠剤か、飲み忘れの前後で性行為があったかなど、具体的な状況を正確に伝えるようにしてください。医師が状況を把握し、適切なアドバイスや必要な処置(緊急避妊薬の処方など)をしてくれます。

直接医療機関を受診するのが難しい場合や抵抗がある場合は、オンライン診療という選択肢もあります。最近では、低用量ピルの処方だけでなく、飲み忘れに関する相談にも対応しているオンラインクリニックが増えています。自宅や好きな場所から医師の診察を受けることができるため、忙しい方や近くに相談できる医療機関がない方にとって便利な方法です。オンライン診療の場合も、自身の状況を正確に伝えられるように準備しておきましょう。

専門家である医師に相談することで、不安が軽減され、今後の対応についても安心して進めることができます。

【まとめ】ピル飲み忘れ時は焦らず正しく対処することが大切

ピルを飲み忘れてしまうと、誰でも不安になるものです。しかし、飲み忘れの時間や日数、シートの位置によって対処法は異なります。まずは落ち着いて状況を確認し、この記事で解説した対処法を参考に、ご自身の状況に合った対応をしてください。

  • 12時間未満の飲み忘れ: 気づいたらすぐ飲む、以降は通常通り。避妊効果は維持。
  • 1日(12時間以上24時間以内)の飲み忘れ: 気づいたらすぐ飲む、以降は通常通り(1日2錠飲む場合あり)。基本的には避妊効果維持だが、状況によっては追加避妊や緊急避妊薬の検討を。
  • 2日以上の飲み忘れ: 避妊効果は低下。気づいたら飲み忘れ分を服用し、以降は通常通り(1日2錠飲む場合あり)。実薬7日間連続服用まで追加避妊必須。シート開始1週目など、状況によっては緊急避妊薬の検討が必要。
  • 3日以上の飲み忘れ: 服用中止し、次の生理を待って新しいシート開始。避妊効果なし。新しいシートで効果が得られるまで追加避妊必須。妊娠可能性が高い場合は医療機関へ相談。
  • シートの位置: 特にシート開始1週目の飲み忘れは妊娠リスクが最も高い。
  • 偽薬期間の飲み忘れ: 避妊効果に影響なし。

飲み忘れ以外にも、特定の薬剤や激しい嘔吐・下痢がピルの効果に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。飲み忘れを防ぐためには、アラームや服用タイミングの工夫が役立ちます。

もし、飲み忘れによって不安を感じたり、どうすれば良いか判断に迷ったりした場合は、一人で悩まずに必ず医療機関(婦人科など)やオンライン診療サービスに相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることが、安心につながり、安全なピル服用を続けるために最も重要です。


免責事項:
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や医師の診断に代わるものではありません。個々の状況に応じた正確な情報や診断、治療については、必ず医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。本記事の情報に基づいて発生したいかなる結果につきましても、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。ピルの種類によって対処法が異なる場合があるため、必ず服用しているピルの添付文書もご確認ください。本記事の執筆にあたっては、以下の公的機関や専門家組織が発行するガイドライン等を参考にしています。

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