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妊娠周期の数え方ガイド|計算方法と週ごとの体・赤ちゃん変化

妊娠おめでとうございます。赤ちゃんとの対面が待ち遠しいですね。妊娠中は、ご自身の体の変化や赤ちゃんの成長について、たくさんの喜びと同時に、様々な疑問や不安を感じるかもしれません。その中でも、「妊娠周期っていつから数えるの?」「今の私は妊娠何週目?」「出産予定日はどうやって計算するの?」といった疑問は、多くの妊婦さんが最初に抱くものではないでしょうか。

この記事では、妊娠周期の基本的な数え方から、正確な出産予定日の計算方法、そして妊娠週数ごとの母体の変化と胎児の成長について、詳しく解説します。ご自身の妊娠周期を正しく把握し、安心してマタニティライフを送り、出産に備えるための一助となれば幸いです。

目次

妊娠周期とは?数え方の基本

妊娠周期とは、妊娠の始まりから出産までの期間を週数で数える方法です。妊娠期間の全体像を把握し、適切な時期に必要な検診や準備を行うために、この数え方を理解しておくことは非常に大切です。

妊娠期間は40週が目安

一般的に、妊娠期間は妊娠40週0日(つまり280日間)が目安とされています。これは、最終月経の開始日から数えた期間です。ただし、これはあくまで目安であり、正期産(赤ちゃんが十分に成長して生まれてくる時期)は妊娠37週0日から41週6日までと幅があります。

妊娠週数は「0週0日」からスタート

妊娠週数の数え方には少し戸惑うかもしれません。実は、妊娠0週0日は、まだ妊娠が成立していない、最終月経の開始日を指します。つまり、最後に生理が始まった日が、妊娠期間のカウントスタート地点となるのです。

そして、そこから7日間を「妊娠0週」とし、次の7日間を「妊娠1週」と数えていきます。例えば、最終月経開始日から10日目であれば「妊娠1週3日」となります。

最終月経開始日が基準になる理由

「まだ受精もしていないのに、なぜ最終月経開始日から数えるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。これは、正確な排卵日や受精日を特定することが非常に難しいためです。多くの女性にとって、最終月経の開始日は比較的把握しやすいため、この日を基準として妊娠周期を計算する方法が国際的に用いられています。

実際に受精が起こるのは、排卵が起こる妊娠2週頃と考えられています。

妊娠月数への換算方法

妊娠週数は、慣習的に妊娠月数で表現されることもあります。一般的に、4週を1ヶ月として換算します。

妊娠週数 妊娠月数
0~3週 1ヶ月
4~7週 2ヶ月
8~11週 3ヶ月
12~15週 4ヶ月
16~19週 5ヶ月
20~23週 6ヶ月
24~27週 7ヶ月
28~31週 8ヶ月
32週~35週 9ヶ月
36週~40週超 10ヶ月

産婦人科では主に週数で管理されますが、家族や友人に伝える際には月数の方が分かりやすい場合もありますね。
妊娠週数と月数の詳細な対応関係や医学的定義について詳しく見る

正確な出産予定日の計算方法

出産予定日は、妊婦さんとご家族にとって、赤ちゃんを迎える準備を進める上で大切な目安となります。いくつかの計算方法があります。

最終月経からの計算式

最も一般的な計算方法は、最終月経開始日を用いるネーゲレの概算法です。

  • 最終月経の「月」から3を引く(引けない場合は9を足す)
  • 最終月経の「日」に7を足す

例:最終月経開始日が5月10日の場合

  • 月:5 – 3 = 2
  • 日:10 + 7 = 17
  • 出産予定日:翌年の2月17日

例:最終月経開始日が2月5日の場合

  • 月:2 + 9 = 11
  • 日:5 + 7 = 12
  • 出産予定日:その年の11月12日

ただし、この計算方法は月経周期が28日型で規則的な場合を前提としています。
ネーゲレの概算法についてより詳しく見る

排卵日からの計算(生理不順の場合)

月経周期が不規則な方や、排卵日が特定できている場合(基礎体温や排卵検査薬の使用、不妊治療などによる)は、排卵日から計算する方がより正確な場合があります。

  • 排卵日を妊娠2週0日として計算します。
  • 出産予定日 = 排卵日 + 266日(38週)

例えば、排卵日が5月24日だった場合、その日を妊娠2週0日とし、そこから38週間後が出産予定日となります。

超音波検査による予定日修正

妊娠初期(特に妊娠8~11週頃)に行われる超音波検査で、胎児の大きさ(主に頭殿長:CRL、頭の先からお尻までの長さ)を測定します。このCRLは個人差が少なく、在胎週数を正確に反映するため、最終月経からの計算や排卵日からの計算で算出した予定日とずれがある場合は、超音波検査の結果に基づいて出産予定日が修正されることが一般的です。

医師はこれらの情報を総合的に判断して、最も確からしい出産予定日を決定します。日本産科婦人科学会(JAOG)の見解でも、妊娠初期に妥当な根拠で定めた予定日は、中期以降の超音波計測値によって変更しないことが推奨されています。日本産科婦人科学会(JAOG)の見解

妊娠週数ごとの母体の変化と胎児の発育

妊娠期間中、お母さんの体と赤ちゃんはめまぐるしい変化を遂げます。ここでは、妊娠周期を初期・中期・後期に分け、それぞれの時期の主な変化と発育について見ていきましょう。

妊娠初期(0~13週)の妊娠周期

妊娠初期は、妊娠の成立から体の大きな変化が始まる、デリケートな時期です。

0週・1週:妊娠前の準備段階

  • 母体: 最終月経が始まり、次の排卵に向けて卵胞が成熟し始めます。まだ妊娠はしていません。
  • 胎児: まだ存在していません。

2週・3週:受精と着床

  • 母体: 排卵が起こります(妊娠2週頃)。ここで精子と出会うと受精し、受精卵となります。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を移動し、子宮内膜にもぐりこんで着床します(妊娠3週頃)。着床時に少量の出血(着床出血)が見られる人もいます。
  • 胎児: 受精卵は急速に細胞分裂を繰り返し、胎芽(たいが)と呼ばれるようになります。

4週:妊娠検査薬の陽性反応

  • 母体: 月経予定日を過ぎる頃です。妊娠していれば、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが尿中に増え、妊娠検査薬で陽性反応が出始めます。早い人では、だるさ、眠気、微熱など、風邪に似た症状を感じることがあります。
  • 胎児: 胎芽はまだ小さいですが、神経管など重要な器官の原型ができ始めます。

5週・6週:胎嚢・心拍確認、つわり開始

  • 母体: 超音波検査で、赤ちゃんが入っている袋である胎嚢(たいのう)が確認できるようになります。早い人では妊娠6週頃に胎児の心拍が確認できます。多くの人でつわりの症状(吐き気、嘔吐、食欲不振、においに敏感になるなど)が出始めます。
  • 胎児: 心臓が拍動を始め、脳や脊髄などの中枢神経系、目や耳の原型も作られ始めます。

7週~11週:主要器官が形成される時期

  • 母体: つわりがピークを迎える人が多い時期です。子宮が少しずつ大きくなり始めますが、外見上の変化はまだ少ないでしょう。頻尿や便秘といったマイナートラブルも出やすくなります。
  • 胎児: 妊娠8週頃から「胎児」と呼ばれるようになります。手足の指、顔のパーツ(目、鼻、口)などが形成され、人間らしい姿に近づいていきます。主要な臓器の形成が進む非常に大切な時期です。

12週・13週:安定期へ近づく体へ

  • 母体: つわりの症状が徐々に落ち着いてくる人が増えます。胎盤が完成に近づき、流産のリスクも少しずつ低下してくるため、「安定期」と呼ばれる時期への移行期間です。
  • 胎児: 骨や筋肉が発達し、手足を動かすようになります。内臓器官もほぼ完成し、超音波検査で性別がわかることもあります(ただし、確実ではありません)。

妊娠中期(14~27週)の妊娠周期

妊娠中期は、一般的に「安定期」と呼ばれ、つわりが落ち着き、体調も比較的安定する過ごしやすい時期です。

14週・15週:胎盤完成、つわり軽減

  • 母体: 胎盤がほぼ完成し、ホルモンバランスが安定してくるため、つわりが終わる人が多いです。食欲も戻り、体調が安定してきます。
  • 胎児: 皮膚が厚くなり、髪の毛や爪も生え始めます。羊水の中で活発に動き回ります。

16週~19週:胎動を感じ始める頃

  • 母体: 早い人では胎動を感じ始める頃です。初産婦さんよりも経産婦さんの方が早く感じやすい傾向があります。子宮が大きくなるにつれて、お腹の膨らみも少しずつ目立ってきます。
  • 胎児: 骨格や筋肉がさらに発達し、動きが力強くなります。聴覚も発達し始め、お母さんの声や外の音が聞こえるようになると言われています。

20週~23週:お腹の膨らみが目立つ

  • 母体: 多くの人が胎動をはっきりと感じるようになります。お腹の膨らみが目立ち始め、マタニティウェアが必要になるでしょう。体重管理に気を配り始める時期でもあります。
  • 胎児: 全身に産毛が生え、皮下脂肪もつき始めます。まぶたが分かれ、目を開けたり閉じたりするようになります。

24週~27週:五感が発達

  • 母体: お腹が大きくなることで、腰痛や足のつり、息切れなどの症状が出やすくなります。定期的な妊婦健診で、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症がないかチェックします。
  • 胎児: 聴覚、視覚、味覚といった五感がさらに発達します。脳も急速に発達し、体の機能もより洗練されてきます。もしこの時期に早産となっても、適切な医療ケアがあれば生存できる可能性が出てきます。

妊娠後期(28~40週)の妊娠周期

いよいよ出産が近づいてくる妊娠後期。お腹はさらに大きくなり、様々な体の変化や出産に向けた準備が進みます。

28週~31週:体重増加と体の不調

  • 母体: 赤ちゃんの成長に伴い、お母さんの体重も増加します。お腹が大きくなることで、胃が圧迫されて一度にたくさん食べられなくなったり、胸やけを感じたり、便秘や頻尿が悪化したりすることがあります。お腹の張りを感じやすくなることも。
  • 胎児: 皮下脂肪が増えてふっくらとした体つきになり、体重は約1000g~1500gほどに成長します。脳のしわが増え、機能も向上します。肺の機能も成熟し始めますが、まだ自力での呼吸は難しい状態です。

32週~35週:出産準備が進む体

  • 母体: 出産に向けて骨盤が緩み始め、赤ちゃんが下に降りてくる準備をします。そのため、足の付け根の痛みや恥骨痛を感じることがあります。前駆陣痛(不規則なお腹の張りや痛み)が起こることもあります。
  • 胎児: ほとんどの器官が完成に近づき、肺機能も成熟してきます。この時期には多くの場合、頭を下にした「頭位」の姿勢になります。体重は約2000g~2500gほどに。

36週~39週:正産期に突入

  • 母体: 妊娠37週0日からは「正期産」となり、いつ赤ちゃんが生まれても良い時期に入ります。赤ちゃんが骨盤内に下がってくることで、胃の圧迫感が減り食欲が増す一方、膀胱への圧迫は強まり頻尿が進みます。おりものの量が増えることもあります。
  • 胎児: 体重は約2500g~3000gを超え、体の機能はほぼ完成しています。皮下脂肪も十分につき、体温調節機能も発達します。いつ生まれても外の世界で生きていける準備が整います。

40週:出産予定日

  • 母体: いよいよ出産予定日です。しかし、予定日ぴったりに生まれる赤ちゃんは全体の数パーセントと言われています。陣痛や破水など、お産の兆候に注意しながら、リラックスしてその時を待ちましょう。
  • 胎児: 出産に向けて準備万端です。

妊娠周期に関するよくある質問

ここでは、妊娠周期に関するよくあるご質問にお答えします。

妊娠の周期の数え方は?

妊娠周期は、最終月経の開始日を「妊娠0週0日」として数え始めます。そこから7日間が妊娠0週、次の7日間が妊娠1週…というように進みます。実際に受精するのは妊娠2週頃ですが、最終月経開始日を基準とするのが一般的です。

妊娠検査薬はいつから使えますか?

市販の妊娠検査薬の多くは、生理予定日の約1週間後から使用可能とされています。しかし、製品によっては生理予定日当日から使える早期妊娠検査薬もあります。hCGホルモンの分泌量がまだ少ない時期に検査すると、妊娠していても陰性となることがあるため、説明書をよく読んで適切な時期に使用しましょう。

陽性反応が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診してください。

妊娠初期症状はいつから現れますか?

妊娠初期症状が現れる時期や症状の種類、程度には個人差が非常に大きいです。早い人では妊娠4週頃(生理予定日頃)から、だるさ、眠気、微熱、胸の張りなどを感じることがあります。つわりは妊娠5~6週頃から始まる人が多いですが、全く感じない人もいます。

主な妊娠初期症状には以下のようなものがあります。

  • 生理が遅れる
  • 基礎体温の高温期が続く
  • 吐き気、嘔吐(つわり)
  • 食欲不振または食欲増進
  • においに敏感になる
  • 眠気、だるさ
  • 胸の張り、乳首の痛み
  • 頻尿
  • 便秘
  • おりものの変化
  • 情緒不安定

これらの症状は、妊娠していなくても起こりうるものや、他の原因も考えられるため、妊娠の確定診断は必ず産婦人科で行ってもらいましょう。

出産予定日を過ぎたらどうなりますか?

出産予定日を過ぎてもお産が始まらないことを「過期妊娠」と呼びます(一般的には妊娠42週以降)。予定日を過ぎると、胎盤の機能が低下したり、羊水が減少したりするリスクが考えられるため、妊婦健診の頻度が増え、赤ちゃんと母体の状態をより慎重にチェックします。

医師の判断により、陣痛促進剤を使ったり、帝王切開を検討したりすることもあります。不安なことは医師や助産師に相談しましょう。

妊娠周期を把握して出産に備えましょう

妊娠周期の数え方や、週数ごとの母体と胎児の変化を理解することは、ご自身の体調管理や出産準備を進める上でとても大切です。また、お腹の赤ちゃんの成長を具体的に知ることで、より一層愛おしさが増し、出産への期待も高まることでしょう。

妊娠期間中は、喜びと共に不安を感じることもあると思いますが、一人で抱え込まず、パートナーや家族、そして産婦人科の医師や助産師に相談しながら、心穏やかにマタニティライフを送ってください。今回の記事が、その一助となれば幸いです。

免責事項:

この記事は、妊娠に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスに代わるものではありません。妊娠中の具体的な症状や健康状態については、必ず専門の医師や医療機関にご相談ください。自己判断による対応は避け、適切な医療を受けるようにしてください。

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