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おりもの茶色、原因は何?正常?時期別のサインと病気の見分け方

おりものが茶色いと、「もしかして病気?」と不安になりますよね。特に生理前や生理後、妊娠の可能性がある時期などは、心配になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、茶色いおりものが出る原因について、時期別の一般的なケースから注意が必要なケース、病院を受診する目安まで詳しく解説します。原因を知ることで、少しでも不安が解消され、適切な対処法を見つけるための一助となれば幸いです。

目次

茶色いおりものの正体と原因

「おりもの」とは、子宮頸部や膣から分泌される酸性の液体で、膣内を清潔に保ち、雑菌の侵入や増殖を防ぐ自浄作用の役割を担っています。通常のおりものは透明~白っぽい色で、少し酸っぱいにおいがすることがありますが、生理周期や体調によって量や色、状態が変化します。

茶色いおりものは古い血液が混ざったもの

茶色いおりものは、出血した血液が時間が経って酸化したものが、おりものに混じって排出された状態です。血液は空気に触れて時間が経つと酸化し、赤色から茶色、さらに黒っぽい色へと変化します。そのため、茶色いおりものは、体内で出血してから時間が経過していることを示しています。

出血箇所によって原因が異なる

茶色いおりものの原因となる出血は、子宮、膣、外陰部など、さまざまな場所で起こり得ます。出血の箇所や原因によって、おりものの色や量、その他の症状も異なります。原因を特定するためには、いつ、どのような状況で茶色いおりものが出たのか、他の症状はないかなどを注意深く観察することが大切です。

時期別の茶色いおりもの:正常なケース

生理周期に伴って見られる茶色いおりものの中には、心配のいらないケースもあります。

生理前のおりものが茶色い

生理前に茶色いおりものが出ることがあります。これは、生理が始まる準備段階で、子宮内膜が少しずつ剥がれ始めることで起こる少量の出血が原因であることが多いです。

生理が始まるサイン

生理が始まる数日前から、ごく少量の茶色いおりものやピンク色のおりものが見られることがあります。これは、本格的な生理の出血が始まる前のサインと考えられます。

茶色いおりものが続く期間

生理前の茶色いおりものは、通常1~3日程度で本格的な生理の出血に変わります。もし、生理予定日を過ぎても茶色いおりものが少量だけ続く場合は、妊娠の可能性やホルモンバランスの乱れも考えられるため、注意が必要です。

生理後のおりものが茶色い

生理の終わりかけにも、茶色いおりものが出ることがあります。

排出しきれなかった経血

生理が終わる頃になると、子宮内に残っていた経血が完全に排出されず、時間をかけてゆっくりと出てくることがあります。このとき、血液が酸化して茶色っぽくなり、おりものに混じって排出されることがあります。これは生理の自然な経過であり、通常は数日でなくなります。

排卵期のおりものが茶色い

生理と生理の中間期にあたる排卵期にも、少量の出血が見られることがあります。

排卵期出血(中間期出血)

排卵期には、ホルモンバランスの急激な変化によって、子宮内膜の一部が剥がれて少量の出血を起こすことがあります。これを「排卵期出血」や「中間期出血」と呼びます。排卵期出血は、必ずしも毎回起こるわけではなく、出血の量や期間にも個人差があります。通常は1~3日程度で自然に止まり、おりものに混じって茶色っぽく見えることがあります。

茶色いおりものに注意が必要なケース

一方で、茶色いおりものが何らかの体の不調や病気のサインである場合もあります。特に、以下のような場合は注意が必要です。

生理じゃないのに茶色いおりものが出る場合

生理期間以外に茶色いおりものが出ることを「不正出血」と呼びます。不正出血の原因は様々で、中には治療が必要な病気が隠れていることもあります。

妊娠初期の茶色いおりもの

妊娠初期にも茶色いおりものが見られることがあります。

着床出血の可能性

受精卵が子宮内膜に着床する際に、ごく少量の出血が起こることがあります。これを「着床出血」と呼びます。着床出血は、生理予定日の1週間前~生理予定日頃に起こることが多く、ピンク色や茶色のおりものとして少量見られることがあります。期間は1~3日程度で自然に止まるのが一般的です。

妊娠継続に関わる出血の可能性

一方で、妊娠初期の出血は、流産や子宮外妊娠(異所性妊娠)など、妊娠の継続に関わるトラブルのサインである可能性もあります。これらの場合、出血量が増えたり、腹痛を伴ったりすることがあります。妊娠の可能性がある時期に茶色いおりものが見られたら、自己判断せずに早めに産婦人科を受診しましょう。

ホルモンバランスの乱れによる茶色いおりもの

ホルモンバランスの乱れも、不正出血の原因となることがあります。

ストレスの影響

強いストレスや不規則な生活、過度なダイエットなどは、女性ホルモンのバランスを乱し、不正出血を引き起こすことがあります。この場合、茶色いおりものが見られることがあります。生活習慣を見直し、十分な休息をとることが大切です。

病気の可能性:不正出血としての茶色いおりもの

不正出血としての茶色いおりものは、以下のような病気のサインである可能性も考えられます。

子宮頸管ポリープ

子宮の入り口(子宮頸管)にできる良性のポリープです。性交渉の刺激などで出血しやすく、茶色いおりものや不正出血の原因となることがあります。

子宮頸部びらん

子宮の入り口(子宮頸部)の粘膜がただれた状態です。炎症やホルモンの影響で起こりやすく、性交渉の刺激などで出血し、茶色いおりものが見られることがあります。

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。できる場所や大きさによっては、不正出血や過多月経、月経痛などの症状を引き起こすことがあります。不正出血が茶色いおりものとして現れることもあります。

膣炎など炎症

細菌やカンジダなどの感染によって膣に炎症が起こると、おりものの量が増えたり、色やにおいに変化が現れたりします。炎症が強い場合や、傷ができた場合には出血を伴い、茶色いおりものが見られることがあります。かゆみや痛み、悪臭などを伴うこともあります。

子宮頸がん・子宮体がん

子宮頸がんや子宮体がんは、初期には自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行すると不正出血が見られることがあります。性交渉時の出血や、閉経後の出血は特に注意が必要です。不正出血が茶色いおりものとして現れることもあります。

その他性感染症

クラミジア感染症や淋菌感染症などの性感染症でも、不正出血が起こり、茶色いおりものが見られることがあります。おりものの異常のほか、腹痛や排尿時痛などの症状を伴うこともあります。クラミジア感染症患者の40%で不正出血が認められ、淋菌感染症では膿性分泌物を伴う症例が65%を占めるといったデータもあり、性感染症が不正出血の原因となる可能性を示唆しています。これらの感染症は抗菌薬治療により90%以上の症例で症状改善が期待できるとされています。

茶色いおりもの:正常なケースと注意が必要なケースの比較

茶色いおりものが出た際に、ご自身の状況が正常な範囲なのか、それとも注意が必要なのかを判断するための一助として、主なケースを比較整理した表を以下に示します。

特徴 時期・状況 出血の原因 他の症状の有無 病院受診の目安
正常な範囲 生理前 生理開始前の少量出血 基本的になし 数日で本格的な生理に移行するか確認
生理後 排出されきれていない経血 基本的になし 数日で消失するか確認
排卵期(中間期) ホルモン変動による少量出血 下腹部痛を伴うこともあり 数日で消失するか確認
妊娠初期のごく初期 着床による少量出血 なし〜軽い生理痛様症状 妊娠検査薬で陽性の場合、産婦人科に相談。腹痛増加に注意
注意が必要 生理期間外で続く 不正出血(様々な原因) 様々な症状を伴うことも 1週間以上続く場合、頻繁に出る場合、症状がある場合
妊娠初期の腹痛伴う出血 流産、子宮外妊娠などの可能性 腹痛、量が増えるなど すぐに産婦人科を受診
ホルモンバランスの乱れ ストレス、生活習慣など 生理不順など 続く場合や他の症状があれば受診
病気(筋腫、ポリープ等) 接触による出血、腫瘍など 過多月経、痛みなど 不正出血が頻繁な場合や他の症状がある場合
炎症・感染症(膣炎、STI) 炎症、傷 かゆみ、痛み、悪臭、腹痛など 症状がある場合やパートナーに症状がある場合
悪性疾患(がん等) 進行による出血 なし〜様々 不正出血全般、特に閉経後は必ず受診

※この表は一般的な目安であり、個々の状況によって異なります。不安な場合は医療機関に相談しましょう。

茶色いおりもので病院を受診すべき目安

茶色いおりものが見られた場合、どのような時に病院を受診すべきか迷うかもしれません。以下に受診の目安を示します。

こんな症状や期間はすぐに受診を

以下のような症状が見られる場合や、状態が続く場合は、自己判断せずに婦人科を受診しましょう。

茶色いおりものが1週間以上続く

生理前の少量のおりものや排卵期出血など、一時的なものであれば数日で治まるのが一般的です。茶色いおりものが1週間以上続く場合は、何らかの原因が隠れている可能性があるため、受診をおすすめします。

腹痛や発熱、悪臭、かゆみなどの症状がある

茶色いおりものに加えて、下腹部痛、腰痛、発熱、おりものの悪臭、外陰部のかゆみや痛みなどの症状がある場合は、感染症や他の病気の可能性が考えられます。早めに受診しましょう。

生理周期以外の出血が頻繁にある

生理期間以外に頻繁に出血がある場合(不正出血)は、原因を特定するために検査が必要です。特に、性交渉後に出血しやすい、閉経後に一度でも出血があったという場合は、注意が必要です。

閉経後に出血がある

閉経後に少量でも出血があった場合は、必ず婦人科を受診してください。がんなどの重大な病気が隠れている可能性も否定できません。

何科を受診すれば良いか

茶色いおりもので不安な場合は、婦人科または産婦人科を受診しましょう。これらの診療科では、おりものの異常や不正出血の原因を調べるための検査(内診、超音波検査、細胞診など)を受けることができます。

まとめ:茶色いおりものに不安を感じたら専門医へ相談を

茶色いおりものの原因は、生理周期に伴う心配のないものから、治療が必要な病気まで様々です。おりものの色や量、におい、その他の症状などをよく観察し、不安な点や気になる症状がある場合は、自己判断せずに早めに婦人科を受診するようにしましょう。専門医に相談することで、原因を特定し、適切なアドバイスや治療を受けることができます。

免責事項
本記事は情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。症状や治療法については、必ず医師にご相談ください。

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